人々が幸せを求めて築き上げてきた現在の文明生活は、人々の将来を期待しながら幾世代にもわたって大人世代が子や孫たち世代の教育指導を積み重ねてきたことによるものです。
ここに人々の将来を導く教育には一貫して普遍的な基本理念が求められているのです。
しかし、社会に目を向けると、求める幸せが他の人を押しのけて自分や自分たちのものに限られ、ひいては自国の利益を最優先することもいとわないというような事態が起きており、幸せとは程遠い現実があります。
この現実から、本来求められる教育に歪みがあるように見受けられるのです。
私たちＯＡＳＩＳ協会は、宇宙の成り立ちにまで踏み込まないまでも、人間は、一つの地球の中で、多くの生き物と一緒に生きており、自然に生かされているのであり、この自然観をもって生活を営めば、より良い社会にすることができると考えています。
そして、この考えを教育の基本理念に据えた教育活動を行っています。
自然に親しむことを教育に取り入れることが一般に行われていますが、都会生活から離れて山野に入ってきて、暑いからエアコン、寒いからストーブ、食事は豪華な食材を買って持っていくなどと都会生活と同じように過ごそうとするのは、自然を無視しているのと変わりありません。
より快適な生活を求めて文明社会が築き上げられてきたわけですが、幾度となく経験している地震や津波、激しい気象などの自然災害に対して人間の力はあまりにも無力であることを思い知らされており，人間にとって自然はとかく厳しいものですから、自然の真の姿に接して、自然の偉大さを畏敬の気持ちでとらえ、自分の生活を振り返ることによって自然を理解することができるのです。
そして、この自然の中でどのように意識して生きていかなければならないのかという自然との融和を考えていくことが大切であり、これが自然の教育であると考えております。